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公開日:2026/10/21 最終更新日:2026/10/21

AIでエンジニアの仕事はなくなる?実案件で見る、変わる作業と求められる役割

AIでエンジニアの仕事はなくなる?実案件で見る、変わる作業と求められる役割

「AIでエンジニアの仕事はなくなるのでは」。生成AIがコードや設計書を書く様子を見て、そう感じる方もいるかもしれません。ただ、LegacyForceに掲載されている案件を読むと、なくなるか残るかの二択では捉えにくい変化が見えてきます。

作る作業の一部をAIに任せると明記した募集が出てきた一方で、その結果を確かめ、直し、業務に合うかを判断する役割が募集の中心に書かれ始めています。この記事では、2026年10月時点の掲載案件をもとに、変わる作業と求められる役割を整理します。将来の需要や単価を予測する記事ではありません。

掲載案件に表れている、三つの変化

AIが作ったものを、確かめて直す

飲料メーカーの基幹システム更改案件では、詳細設計・ソース・単体試験を生成AIで作る方針が示され、AIが作成した成果物のレビューや修正が重要な役割とされています。損害保険会社の契約者向けページ改修案件も、開発をAI駆動で進め、AIが生成した成果物のレビューや規約作りが業務の中心です。必須条件には、JavaやSpring Boot、Oracleなどについて「AI生成コードを評価できるスキル」が挙がっています。

書く作業の一部がAIに移っても、その技術を読み、良し悪しを判断できる経験は条件として残っています。

既存のコードをAIで変換し、人が仕上げる

不動産会社の基幹システムリプレイス案件では、Perlで作られた既存システムのソースを生成AIでJavaへ変換し、その変換コードの修正が業務の中心とされています。要求整理・要件定義の成果物作成も担当範囲です。必須はJava(Spring Boot)の開発経験で、Perlの経験は歓迎条件です。

移行では、現行システムが何をしているかを理解し、変換後も同じ結果になっているかを確かめる仕事が欠かせません。

生成済みの仕様とテスト観点から、品質を見極める

会計パッケージの品質保証案件では、仕様書とテスト観点はAIで生成済みで、シナリオテストやリグレッションテストの設計・実施、品質課題の抽出と改善提案が主な業務です。必須条件には、AI駆動開発と品質保証の経験、テスト方針・計画の策定やレビューの経験が並んでいます。

すべての現場でAIを使うわけではない

一方で、官公庁向けのVB.NETからC#への移行案件のように、セキュリティ上の理由からAIツールを使用できないと明記された募集もあります。現行調査・ソース解析・影響範囲調査は、これまでどおり人が担う仕事です。

LegacyForceが2025年に40〜60代のITエンジニア600人へ行った調査でも、AIによるコーディング支援を「現在積極的に業務で使っている」と答えたのは15.3%でした。「試したことはあるが業務では使っていない」と合わせると利用経験は37.5%で、使い方には現場や人による差が大きいことが分かります(調査レポート)。

変わる作業と、求められ続ける役割

次の表は、上の掲載案件から編集部が整理したものです。すべての現場に当てはまるわけではありません。

作業掲載案件で見られる変化人に求められていること
設計書・コードの作成生成AIで作る方針の現場がある成果物を読み、誤りや規約との違いを見つけて直す
既存コードの移行AIで変換し、人が修正する進め方がある現行の動きを理解し、移行後の結果を確かめる
仕様書・テスト観点AIで生成済みの状態から始まる例がある業務上の重要度を判断し、テストを設計する
要件の整理AIを使う案件でも要件整理が条件に並ぶ利用者の業務を聞き取り、何を作るかを決める

AIを使う案件でも、業務と現場の経験が条件になる

障害対応をAIで高度化する案件では、生成AIの活用経験と並んで、障害対応やインシデント管理の経験、要件整理・課題整理の経験が必須条件です。税務領域のAI活用案件は、ベテラン職員に属人化したノウハウをAIで再現・可視化するPoCで、税務・自治体システムの業務知識が歓迎条件に挙がっています。

何を自動化するのか、出てきた結果が業務として正しいのかを判断するには、その業務を知っている人が必要です。ただし、業務経験があればAI案件に参画できるという意味ではありません。どちらの募集も、生成AIの活用経験を必須としています。

自分の経験を「作業」と「判断」に分けて棚卸しする

AIの影響を考えるときは、職種名ではなく、これまで担ってきた作業を分けてみてください。

  1. 仕様や手順に沿って作ったもの(コード、設計書、テストケースなど)

  2. 他の人やツールが作ったものを確かめた経験(レビュー、テスト、差異の調査)

  3. 何を作るか、どこまで直すかを決めた、または提案した経験(要件確認、影響範囲の判断)

  4. 業務の流れや例外を説明できる領域

1が中心だった方でも、2〜4につながる経験が含まれていることがあります。レビューやテストでは、何を基準に良し悪しを判断したかまで書けると、AIを使う現場でも担える役割を説明しやすくなります。

LegacyForceの見方

AIで仕事がなくなるかどうかを、一言で答えることはできません。私たちが掲載案件から読み取っているのは、作る作業の一部がAIへ移り、その結果を確かめ、直し、業務に合わせる仕事が募集に書かれ始めているという変化です。長く積み上げた経験は年数だけで示すのではなく、何を判断してきたかを言葉にすることが、次の仕事を選ぶ材料になります。

募集状況は変わるため、ここで紹介した案件は仕事の変化を読む材料としてご覧ください。

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